仕事をするということ

このテーマを文章にするのは、結構勇気がいることです。
私は、フリーランスで仕事をしています。
とは言ってもまだそれで仕事をしていると言えるくらいの収入もなく、実績もないかもしれません。
それでも、大学で食の勉強をしてから、食に関する仕事一筋で、20年くらいコツコツときました。結婚後、子育て期間中のパートやアルバイトの仕事も、すべて食と食の教育に関する仕事のみ受けてきました。というかそれ以外できなかったというのが現実ですが。。。

経験のない私にとってはお金を扱ったり、電話の対応をすることほど苦手な仕事はありません。レジや受付、事務を今から仕事としてしなさい。と言われると使えない新人として、職場のお荷物となることが目に見えています。実際、事務的な仕事は、事務一筋の義母の足元にも及びませんし、以前の職場でうっかり外線に出てしまったときの不審な電話対応は相手に不快感を与えていたと思っています。
レジ打ち一筋何年。という方はレジ打ちのプロ。誇りを持って仕事をされています。実際その誇りは仕事に現れていて、私はいつも買い物をするスーパーでお気に入りのレジの方を探してそこに並ぶ位尊敬しています。

先日、映画監督の田中光敏さんの講演を聴く機会に恵まれました。
失礼ながら、それまではお名前を知っている程度の方で取り分け意識していろんなものを見ていたわけではありませんでした。それは、田中監督に限らず子育てを始めてから、自分の生活に教養文化的余裕のない生活を送っており、映画はもとよりテレビさえ見ない日常です。

お話を聞いて、胸のつかえがすっと取れた感じでした。監督は全然偉ぶるところもなく、自分の仕事はまわりの人の協力によってさせていただいている。周りへの感謝を忘れないように。とか、段取り8分(これは私がいつも心がけていることです。)準備に時間をかけなさい。そうすれば、自然と仕事は成功する。物事をする前には、完璧に勉強をして臨みなさい。ということを、ご自身の製作された「利休にたずねよ」という映画の制作過程を例にとりわかりやすくお話ししてくださいました。
そこでは、一つのことに信念をもって努力されている人が報われる、そういう世界観が伝わってきました。また、本物を使いなさい。本物からしか、伝わらないものがある。ということもお話しいただけました。次の連休に「利休をたずねよ」を借りてきて見てみようと思います。
それから、12月5日から上映される田中監督の海難1890 こちらの前売り券も買ったので今から見にゆくのが楽しみです。子供のお供の映画から卒業して、自分のための映画を見にゆくなんて何十年ぶりかしら?

そこで、本題に戻りたいと思います。
10月18日に農林水産省主催の「和食が育む、日本人の味覚と食文化シンポジウム」と併催された「子供だし教室」の講師を依頼されました。
こちらで、東京の広告代理店やイベント会社の方たちとお仕事をさせていただきました。
広告代理店との本番までのメールでの念入りな打ち合わせ、前々日には直接イベント会社からお電話での打ち合わせ。前日のリハーサル。など、下準備でお互いの意思の疎通を図り、当日簡単なリハーサル。
当日までは不安でいっぱいだったのですが、講座が始まると、私は仕事に全力で集中することができ、参加者の子供たちと心が通じ合っている手ごたえを感じられました。それには、バックヤードで支えてくださっている人たち、私が他の事を心配しなくても自分の事だけに集中できるだけの環境を整えてくださっているスタッフのプロとしての仕事を垣間見た気がしました。
田舎では、ギャラを時給以下に値切られた挙句、すべて丸投げ、とか、あなたの宣伝になるからボランティアで。というのが、結構多いのですが(そういうところとは、長くお付き合いはしていませんが)、一流の仕事は、報酬の方も納得できる基準でお支払いただけ、また次もお仕事させていただきたい。と思える扱いをしてくださいます。

それから、子供だから適当にやっても分からない。といういい加減な気持ちでなく、子供だから反応がストレートで怖い。ということを苦手だった教員経験で学びました。私はもともと研究者志望で人前で話をするのは、大の苦手です。でも、苦手な事でも辛抱してある程度続ければ体が自然に反応します。子供の前では不思議と緊張せずに話すことが出来ました。
私が嫌いな言葉に、「いい加減がいいかげん。」というのがあります。私の頑張りすぎを、もっと肩の力を抜いてと気遣っていってくださるのでしょうが、いい加減な態度で臨むと、それが自信のなさとして現れ、そこから崩れていくことがほとんどです。やはり段取り8分なのです。
そういう言葉は、実際に他人の見えないところで、血のにじむような努力をしている方が使う言葉で、仕事が出来てない人に言われると本当に肩の力が抜けるどころか、ますます完璧に準備したい気持ちになります。

当日の様子をお世話になっている奥井海生堂様がブログに書いてくださいました。
当日は、一流の本物ばかりを使ってだしと味噌汁を作りました。本物に触れた小学生たちの保護者達からその日の夕食の時間に子供たちからだしの話を教えてもらえました。とのメールを頂きました。目をキラキラと輝かせて話してくれたそうです。

私にとっても、とてもいい経験をさせていただきました。
長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。

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2015-10-20 | Posted in ブログNo Comments » 

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